湘南鎌倉総合病院 先端医療センター

Proton Therapy陽子線治療

陽子線治療の特徴

No.01INTRODUCTIONはじめに

湘南鎌倉総合病院では、2022年1月中旬より
念願の陽子線治療を開始予定です。
まずは、保険収載されている前立腺癌から陽子線治療への取り組みを開始します。
その後、頭頚部がん、骨軟部腫瘍、小児がん、肺がん、肝臓がん、その他の限局した腫瘍に順次治療対象疾患を広げていきます。
当院の陽子線治療を担当するスタッフ陣は、筑波大学病院にて陽子線治療に携わっていた東京医科大学 放射線医学分野 名誉教授 徳植公一医師をはじめとする、経験豊富な放射線治療専門医、医学物理士、放射線技師、看護師となっており、皆様の陽子線治療の対応、サポートをさせていただきます。
今までは東京都、神奈川県では陽子線治療施設はありませんでしたが、2022年1月からは都心にもっとも近い陽子線治療施設として、近隣のみならず都内の皆様のお役に立てればと思っております。
陽子線治療をご検討されている方は、まずはご相談だけでも、ご連絡をいただければと思います。

No.02ABOUT陽子線治療について

陽子線治療は放射線治療の1つの種類です。
水素の原子核である陽子を加速したものが陽子線であり、その陽子線を使用して行う治療です。では、このような陽子線を作るにはどうしたらよいでしょうか。それには大がかりなシステムが必要です。まず陽子を加速するために、加速器が必要です。当院ではシンクロトロンという加速器を使用しています。加速された陽子線ビームが巨大な電磁石を使用した回転ガントリーと呼ばれる装置に入り、強力な磁石で曲げ、照射することができます。この回転ガントリーのおかげで、体の周囲360度いずれの方向からでも照射が行うことができ、病変にあわせた治療が可能となり、副作用も減らすことが期待できます。今回、当院の先端医療センター棟に日立製作所の最先端の陽子線治療のための小型システムが設置されました。小型システムといってもテニスコート3面分以上の敷地面積を使っています。陽子線設備は広大な土地が必要であり、このことが、日本において現在都心部に陽子線施設が少ない主な理由となっています。当院は、新宿から在来線で大船まで約50分、横浜から15分という都心に近い立地にありますが、最先端の小型システムを導入することにより、都心に近い陽子線治療施設を実現しました。

No.03FEATURE陽子線治療の特徴

図 陽子線治療の原理
図1は陽子線治療の原理を示したものです。横軸は体の中に入った放射線の深さ、縦軸は体の中に入った放射線が周りの組織に与える放射線線量(放射線のエネルギー吸収に関する量)を示したものです。通常の放射線治療に用いるX線は、ある深さのところが線量のピークとなり、それから線量は徐々に低下してしまいます。それに対して、陽子線は周囲に与える線量は徐々に増加し、腫瘍のところで線量のピークを迎え、それを超えると線量がゼロになることが分かります。陽子線には止まる性質があり、腫瘍に集中し線量をかけることができ、腫瘍より深部の正常組織への影響を減らすことができます。黄色で示したところは、腫瘍に対し陽子線によって従来のX線より高い線量を与えることが可能となった部分です。
一方、赤で示した部分は、腫瘍の周囲の正常組織への線量を陽子線により減らせることを示しています。特に深いところでは、X線は腫瘍を通過した後も正常組織に線量を与えることになりますが、陽子線は止まるため、腫瘍より深部の正常組織には放射線を当てずに済みます。このようにして、腫瘍にはより多くの放射線を与えて、その周囲にある正常組織の放射線の量は減らすことができるという点が陽子線治療の特徴です。つまり、陽子線治療は正常組織への無駄な放射線を減らせますので、体に優しい治療となります。